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題名 : 秋は林をぬけて
作 : 小泉るり子
発行所 : ポプラ社
今回ご紹介する絵本は、北海道の農家で育つ女の子のある午後描写で、秋の普通の時間を切り取ったような絵本です。
特別な事件が起きるではなく、家族の絆が強く伝わって来るでもなく、平凡は時間ですが、秋の情景がいい。忘れかけていた瞼の風景を思い出させてくれました。
秋の学校帰り、女の子はいつもと違って林をぬけて帰ります。
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ふかふかの落ち葉のじゅうたん。きのこをふまないようにそっと歩いて行きます。
山ぶどうの葉っぱが真っ赤に紅葉した林に、ススキが銀色の穂を風になびかせる草原。自分の庭のように女の子がずんずん進むと、納屋と馬屋がある赤い屋根の少女の家が見えてきました。
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女の子の家が営むリンゴ畑、なし畑にブドウ畑。ちょっとぐらいならおやつに食べても許されちゃう。
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「ただいま!」と元気よく言ったのに、馬小屋の主は留守。川で体を洗って貰っていました。
禺画像] 秋の夕暮れの低い太陽は、川面は黄金色に照らしてキラキラ。
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女の子は畑でとれた作物のおすそ分けを、炭鉱の町に住むおじさんに届けに。
禺画像] 同じ形の家がたぁくさん並ぶ炭住で、おじさんの家が一瞬わからなくなってしまいました。
お裾分けを届けた帰り道、炭鉱の町から下る坂道は、夕焼けで真っ赤に染まって。
何日かして、畑仕事を手伝う女の子の周りを雪虫が飛び交います。北海道の短い秋
禺画像]は終わりに近づき、もう初雪が近い知らせです。
本当に淡々とした秋の風景ですが、こんな色々に囲まれた秋を過ごす女の子は、きっと冬も、春も、夏も、すばらしい自然の中で過ごすのだろうなぁと想像してしまいます。
ゲーセンもマックもTSUTAYAもユニクロも無かったけれど、クルミや栗を拾ったり、アケビ探して漆にかぶれたり、野山の秋は豊かだったなぁ。
余談ですが、雪虫は飛ぶアブラムシの仲間で、お尻に綿のような毛が生えています。だから雪虫が飛ぶ姿は雪が舞っている様。だいたいいつも雪虫を見てから1週間くらいで初雪でした。
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