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題名 : まんげつの夜、どかんねこのあしがいっぽん
作 : 朽木 祥
絵 : 片岡まみこ
発行所 : 小学館
不思議な題名、版画の挿絵に縦書きの物語。昭和の臭いがプンプンするのに、今年発行されたばかりの新しい絵本です。
ノネコは山の中にひとりぼっちで暮らしていました。
「もしかしたらお客さんがあるかもしれない」 ノネコは毎日そう思ってご馳走を用意して待つのですが、誰も訪ねて来ません。
仕方なく作ったご馳走を残らず食べているうちに、ノネコはタヌキみたいに太ってしまいました。
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ある春の日、寂しくてたまらなくなったノネコは山を下りてみました。するといきなり大きな犬に出くわして、追いかけられてしまいます。
必死に逃げるノネコは、野原に半分埋まった土管を見つけて、その中にもぐりこみました。
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ノネコが土管に隠れてしまうと、犬はしばらく土管の周りをうろうろしていましたが、そのうちあきらめて行ってしまいました。
安心したノネコが土管を出ようとすると、でっぷりお腹が地面について、前にも後ろにも進めません。ノネコは土管から足一本と尻尾だけ出して動けなくなってしまいました。
ノネコが閉じ込められた土管には、いろいろな猫が寄ってきましたが、誰もノネコを助け出してはくれません。
そのうち夜になって満月が出ると、猫たちが土管の周りに集まって来て、集会が始まりました。そして誰かが歌い始めます。
「まんげつのよーる!」「どかんねこが、いっぴき!」
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その歌に合わせてみんなが土管の周りでピョンピョン跳ねながら踊り出したので、ノネコは土管から1本だけ動く手を出したりひっこめたりして調子を取りました。
すると、ネコたちは喜んでその手の上を跳んで、「まんげつのよーる! どかんねこのあしがいっぽん!」と歌い踊ります。
禺画像] みんなが土管の周りで飛んだのが良かったのか、ノネコが足を動かしたのが良かったのか、土管が少しグラグラと動き出したではないですか。。。
ノネコは土管から出てこれたのでしょうか?
ネコたちはノネコを仲間にしてくれるのかな?
原っぱ、土管、ネコたちの集会、ゴム段跳びみたいな「どかんねこのあしがいっぽん!」 なんかやっぱり昭和の景色が飛び出してくる絵本でした。
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