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題名　　　：　まばたき
作　　　　 ：　稲村　弘
絵　　　　 ：　酒井　駒子
発行所　 ：　岩崎書店

　今回ご紹介する絵本は、絵本なんですが言葉はほとんどありません。静寂と一瞬の刹那を表現した絵本です。その表現に酒井駒子さんの絵が惜しげもなく使われていて、なんとも贅沢な絵本です。


　音もなく花の蜜を吸う蝶。
　蝶がまさに飛び立とうとする瞬間と飛び立つ一連の動作に、
　緊張から解放への劇的な変化が見えます。

　今、正午を指した時計。�禺画像]
　針が動いた後永遠にも思える静寂と緊張があって、次の瞬間には鳩が窓から顔を出しました。�禺画像]

　ネズミのおもちゃが動く様子をじっと見つめる猫。�禺画像]
　ネズミを動かすぜんまいの音だけが聞こえてきそうです。
　そしてネズミが猫の前を通り過ぎたと思ったその瞬間、猫はもうネズミを捕まえていました。�禺画像]

　表紙に描かれた少女、みつあみちゃん。
　静かに、ほんの一瞬まばたきをしたら、つぎの瞬間には。。。

　光陰矢の如し。長い年月もまばたきの瞬間の積み重ねだと、改めて感じさせられる絵本でした。